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幼少期の自然体験と大学生の社会性との関係ー親の養育態度をふまえてー
人間同士の関わりというのは非常に小さい時期から学習していく必要があり、仲間作りの能力は生まれた時からの学習によって培われます。さらにそれは自然との触れ合いの中で培われるものも多いと考えられています。 「子どもの頃の自然との触れ合い経験が大きくなってからの社会性に影響を及ぼします」こう聞くと、もっとキャンプや川遊びに連れていかなくては。家族で登山を趣味にしようか。そうは言っても親のわたしたちがインドア派だし…。といろいろな考えがめぐると思います。これまでの研究ですでに、自然体験が子どもの社会性に影響を及ぼすことは言われていますが、幼少期の自然体験が社会性に及ぼす効果が、さまざまな経験を経た成人にも見いだせるのでしょうか。また、一言に自然体験といってもどんな自然体験がより効果的な影響を及ぼすのでしょうか。
このことについて、ある研究では青年期にあたる大学生を対象に、幼少期に経験した自然体験と成長後の社会性との間の関係を明らかにすることを目的としてアンケート調査をおこないました。(※この研究では「社会性」とは援助行動と関連がある「共感」と、円滑な関係を導く能力である「社会的スキル」を表しています。)
その結果、幼少期の多くの自然体験と、成長後の社会性に関連が見られています。この研究でアンケート調査に回答した大学生の多くは住宅地で育ち、自然を体感する場所で遊んだ経験も多くはありませんでした。しかし、その中でも自然体験を多くしたグループとそうではないグループを比較したところ、自然体験を多くしたグループは公園や自宅回り、校庭や園庭のほか、空き地や駐車場などでも「ごっこ遊び」や「草花遊び」「ままごと・かくれんぼ」などをしており、兄弟や友だちと一緒に遊ぶこれらの体験が社会性に影響を及ぼしていました。
では、子どもの社会性を育てるのに多くの影響を及ぼす自然体験を親はどのようにサポートすればよいのでしょうか。親の態度が子どもの遊びに影響を及ぼすことをふまえて、さらにこの研究では自然体験と親の態度、そして親の態度と社会性の関係も明らかにしています。先述のアンケート調査で自然体験を多くしたグループの親は子どもに対して受容的で、美術館や観察会などの社会教育に子どもを積極的に参加させていたことが分かり、子どもはこのような日ごろおこなわない体験に対して「親は自分を受け入れ、楽しませてくれた」と感じていたのではないかと考えられています。自分は受け入れられているという思いが相手の感情を想像して共感したり、相手の立場を推し量ったりする力を身につけることに繋がっていたと考えられるのです。幼少期の自然体験は社会性と多くの関係が見られましたが、この自然体験には親が強く関わっていることも確認されました。大学生を対象にアンケート調査をおこなったこの研究のケッカからは、幼少期の自然体験で得た経験は学生の心に残り、その後の行動に影響していることがわかったのです。
「幼少期の自然体験」といっても必ずしもキャンプやハイキングのように非日常である必要はありません。公園での「ごっこ遊び」や自宅回りでの「草花遊び」のように、親や兄弟などの家族や、友だちとの日常的な関わりの中でも社会性は育まれます。今度のお休みの日には子どもと一緒に少し家の周りを散歩して自然を感じてみてはいかがでしょうか。
音楽と数学の相関関係:神経生物学的見解
The Correlation Between Music and Math: A Neurobiology Perspective by Cindy Zhan
“クラシック音楽は数学的能力を高めるのを知っていますか?”と初めて聞いた時、何の繋がりもなさそうな音楽と数学の二教科がどのように影響し合うのか興味が湧いた事を覚えています。また、クラシック音楽が私の数学能力を桁外れなレベルへ一変させてくれる魔法の薬のように見え興奮しました。ウェブ記事を書く機会をいただいた際には、すぐこの音楽と数学トピックについて書くことに取りかかりました。この記事を通して、音楽を聴くことが本当に数学能力を伸ばすのか?もしそうならば、どの脳の部分が音楽と数学の相関関係をコントロールしているのか?について答えたいと思います。さらには、どのように音楽が脳の数学能力を伸ばすよう刺激するのでしょうか?
音楽による数学能力に対してのプラス効果を示す研究結果が多々示されています。多くの研究で、子供達が若くして音楽のトレーニングを受けると、数学能力が伸びる傾向にある結果が出ています。この研究で驚くべきことは、音楽自体が数学能力に影響するわけではないという事です。音楽の特定の側面が数学スキルに大きく影響すると言われています。小さい子供達を対象にした研究の多くは、一定の音楽教育とトレーニング後に学力が伸びたという結果を示しています。’Nature’というジャーナルで発表されたある研究では、音楽の一連のスキルやリズムや音程を含んだ音のゲームの音楽指導を6ヶ月受けた一年生のグループは、通常の音楽の授業を受けた一年生のグループに比べて算数において著しく良い結果が見られました。
この研究結果では、もう一つ大事な問題を提起しています。どのように音楽指導が児童の算数の能力を向上させたのでしょうか?2つの理論があり、時空間理論(ST)と言語分析理論(LA)です。LAは方程式を解いたり数量を示す答えを出すことが含まれており、STはチェスのような先の動きを予測するアクティビティで使われる能力です。音楽の数学への影響はモーツァルト効果と呼ばれることがあります。モーツァルト効果はその名の通り連続性がありSTの短期効果のあるモーツァルトの作品を聴いた事による発見から名付けらています。STで使われている主な特徴は、1.頭に思い浮かべた物の時空間上での変換と関連付け、 2. 物理的イメージと精神的イメージを比べる際に生まれる大脳皮質での脳神経細胞から放たれる発火パターンの対称性、そして3. それらの固有の大脳皮質パターンの自然な時系列です。
モーツァルト効果の実験を行った同じ研究者達はSTこそ数学能力には重要と見ています。数学においてSTの能力を必要とするのは、時空間でのイメージの変化を必要とする幾何学や微分積分です。高度な数学では、数式などを論理的に証明し答えを導き出すことにもSTの力に関係しています。なぜなら証明を書くには自然にこうなるだろうという直感的な感覚と先々を考える力を必要とするからです。
数学と音楽の相互関係を脳のどの部分がコントロールするのかについても、多くの研究結果が答えを示しています。Dr. Gottfried Schlaugの研究では7歳より前に音楽指導を始めた音楽家の脳梁(右脳と左脳のコミュニケーションを行う経路)や右側の運動皮質(左側の様々な体をコントロール)といった脳の一部が大きいことを発見しています。Xiaodeng Leng氏とGordon Shaw氏は、音楽を聴いた時にそれらの脳の部分に何が起こるのかを調べる実験を行なっています。彼らは、皮質組織の神経網を元に高次脳機能のモデルを築きました。トリオンモデルは、哺乳類の皮質にある基本的な神経網を柱とし、これを計算の単位であるとしたマウントキャッスル組織原理を数学的に高度に構造化したものです。この柱は、トリオンと呼ばれる神経網で構成されています。トリオンの特定の柱状ネットワークには、沢山の種類の脳内の時空間の発火パターンがあり、これを興奮させて、記憶や高次脳機能で使用することができます。Shaw氏とLeng氏は、特定の柱の発火パターンのトリオンモデルを、知っているスタイルの音楽に使われている様々な音程や楽器にマッピングする実験を行いました。このトリオンのマッピングが音楽と時空間理論に関係する神経プロセスを関連付けるための見識を与えてくれました。様々な時空間の発火パターンを含む大脳皮質の一部が音楽によって興奮し、数学で必要な時空間理論などの高次脳機能で利用できる事を示していす。
まとめると、私の数学と音楽の研究では、音楽は数学能力を伸ばすことを示唆しています。音楽は数学で必要な時空間理論の利用を促す脳の部分を対象に刺激をします。しかし、音楽は人の数学能力を伸ばす魔法の薬かどうかの問いには残念ながら答えは
noでしょう。なぜなら、殆どの数学者は音楽が好きだからといって、全ての音楽家は数学が好きとは限らないからです。14歳の頑張り屋さんが数学の教授へ書いたウェブに投稿された手紙を見つけました。その生徒は素晴らしいミュージシャンでしたが、数学が苦手科目というイライラをぶつけていました。彼は数学では、彼は権威ある学術課程に必要な成績を上げていませんでした。
この手紙は、音楽を聴くことまたは楽器を演奏できるようになることは自動的に数学ができるようになるとは限らないと示唆しています。言い換えれば、音楽が得意なミュージシャンはたくさんいるが数学は得意ではないということです。音楽は、数学的パターンや数式に従う音符以上のものです。パターンの複雑さが音楽をとても楽しいものにしています。これらのパターンが数学に似ているかどうかは、多くのミュージシャンとは関係ありません。多くの場合、ミュージシャンは、音楽に含まれる数学に気づいていない場合でも、音楽の凄さと尊敬の気持ちから、音楽をテキストを入力してください。
原文:The Correlation Between Music and Math: A Neurobiology Perspective